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JUDAS PRIEST at 日本武道館



鋼鉄神・JUDAS PRIEST、最後のジャパンツアーの最終日という触れ込みになっていた武道館公演に行ってきた。プリーストを生で観られるのも今宵限りか…とか、K.K. ダウニングがいないプリーストなんて…とか考えてしまいながらの感傷的なライブになるんじゃないかと予想していたのだが、実際には、鋼鉄神入魂のパフォーマンスにただただ圧倒され、彼らのライブの楽しさばかりが印象に残る一夜となった。

土壇場で行けなくなる可能性もあったため、当日券を購入して武道館入り。手にしたチケットは2階南スタンド。ちょっと遠くてメンバーの表情までは見えないものの、ステージやアリーナの様子を真正面から見下ろすことが出来る2階南スタンドは嫌いじゃないのだが、座席に着いてみたら前の席にいたのが身長190センチ以上はあろうかという大男の外人だったので参った。この大男、プリーストの古い曲が大好きらしく、"Victim Of Changes"や"Beyond The Realms Of Death"でロブ・ハルフォードの物真似をしながら叫びまくっていたのは可愛らしかったのだが、比較的新しい曲が始まるとiPhoneを高く掲げて動画や写真を撮影しまくり。おかげでこちらは右に左に動いて視界を確保する必要があり、ちょっとイライラさせられた。後ろから手を伸ばしてiPhoneを没収してやろうかとも考えたが、そこは広い心で勘弁してやった。



大男というネガティブ要素には悩まされたものの、プリーストが見せてくれたパフォーマンスは本当に素晴らしかった。特に演奏面の充実度は過去に観たものとは比較にならないレベルだと感じた。

全身全霊を注ぎ込まなければ歌いこなすことの出来ない楽曲を数多く持つプリーストなだけに、彼らのライブでは必ずロブ・ハルフォードの調子は如何ばかりかというところにまずは注目してしまうのだが、この日のロブは驚くほど調子が良かった。凄まじいハイトーンでのシャウトを数限りなく、これでもかと言わんばかりに炸裂させる60歳。その姿はメタルゴッドとしての威厳に満ち満ちていた。ハイトーンを維持したままメロディーを歌い上げるとなるとちょっと厳しいようで、"The Sentinel"、"Beyond The Realms Of Death"といった楽曲で肝心のフレーズをフェイクしてしまっていたのが残念だったけれど、スコット・トラヴィスのドラムソロで上手いこと休息時間を設けてから演奏された"Painkiller"では、ほぼフェイク無しであの難曲を歌いきってみせてくれた。壮絶で感動的なパフォーマンスだった。

ロブ以外のメンバーも絶好調で、安定感溢れる演奏を披露してくれたが、その中でもプリーストの新たなギタリストに抜擢されたリッチー・フォークナーには心底驚かされた。昨年、プリーストからK.K.が脱退した際に新たなギタリストとして彼の名前がアナウンスされたときは、どこの馬の骨だよ!とか失礼な感想を抱いてしまったものだが、今となっては平身低頭してお詫びするしかない。数々の名曲を正確に再現しつつ、レスポールを操るギタリストとしての自身の持ち味も存分に発揮。ステージ上でのアクションも溌剌としていて格好良く、まるで古き良き時代のギターヒーローのような佇まいがとても好印象だった。"You've Got Another Thing Comin'"の演奏中にはリッチーのちょっとしたギターソロタイムを設けるなど、伸び伸びと演奏できる環境を彼に与えた他のメンバーの度量の広さも素晴らしいと思う。結果的に少なくともライブの最中は、K.K.の不在を嘆くような気にはまったくならなかった。

セットリストが完全に固定されている今回のツアー。事前にそれを見たときは、あまり意外性のない、ちょっと面白みに欠ける選曲がされているようにも感じていたのだが、プリーストの代表曲が次々と演奏される様はやはり圧巻。"Starbreaker"、"Never Satisfied"といった、今となってはレアな楽曲をライブで体験できたのも嬉しかった。個人的には"Night Crawler"から"Turbo Lover"へと続いた流れが最高に興奮したポイントだったかな。そして、セット本編のラストを飾った"Painkiller"の凄まじい余韻に興奮冷めやらぬ武道館に響き渡った"The Hellion"での、歓喜に湧くファンの大合唱も感動的な光景だった。もちろん自分もあらん限りの大声で合唱に参加していた。

SET LIST

01. Rapid Fire
02. Metal Gods
03. Heading Out To The Highway
04. Judas Rising
05. Starbreaker
06. Victim Of Changes
07. Never Satisfied
08. Diamonds And Rust
09. Dawn Of Creation / Prophecy
10. Night Crawler
11. Turbo Lover
12. Beyond The Realms Of Death
13. The Sentinel
14. Blood Red Skies
15. The Green Manalishi (With The Two Pronged Crown)
16. Breaking The Law
Scott Travis Solo
17. Painkiller
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18. The Hellion / Electric Eye
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19. Hell Bent For Leather
20. You've Got Another Thing Comin'
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21. Living After Midnight



バンドの歴史に終止符を打とうとしているバンドだとは思えない、充実したパフォーマンスだった。文字通り全身全霊の歌唱を繰り広げたロブは終演の頃にはヨロヨロになっていたが、そんな姿もまた堪らなく格好良かった。
ひょっとするとツアーでの来日はこれが最後になってしまったのかもしれないけれど、フェスティバルへの出演などといった形での来日なら期待できるという噂も耳にした。これがプリーストとの別れだったなんて思わず、再会の日を楽しみにしていたい。

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